保護者向けガイド
発達障害の子はフリースクールで受け入れてもらえる?見学で確認する7つの点
公開日: 2026-08-18 / 最終確認日: 2026-08-18
保護者子どもに発達障害の診断があります。学校に行きづらくなってフリースクールを考え始めたのですが、そもそも発達特性のある子を受け入れてくれるものなんでしょうか。断られたらどうしよう、と問い合わせる前から不安です。
案内役その不安はとても自然なものです。先に結論からお伝えすると、「発達障害があるから受け入れない」と一律に決まっているわけではなく、受け入れの範囲は施設ごとに違います。だからこそ、問い合わせや見学のときに何を確認すればよいかを知っておくと、ぐっと動きやすくなります。
保護者施設ごとに違う、というのはどういうことですか。
案内役フリースクールは国の制度で内容が決まった施設ではなく、NPO法人や株式会社、個人などが運営する民間の居場所です。少人数で個別に関わることを前提にしている施設もあれば、集団活動が中心の施設もあり、スタッフの経験や体制も一様ではありません。この記事では、受け入れの実態の見方、放課後等デイサービスとの違い、見学で確認したい点、出席扱いや相談窓口の順に見ていきます。医学的な判断や療育の内容には踏み込まず、保護者が次に何をすればよいかに絞ってお話しします。
保護者助かります。まず受け入れの実態から教えてください。
「受け入れているか」は施設ごとに違う
保護者発達特性のある子が通うフリースクールというのは、そもそも珍しいものなんでしょうか。
案内役珍しくはありません。背景として、文部科学省が令和4年に公立小・中学校の通常の学級を対象に行った調査では、学級担任等の回答をもとに「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた児童生徒の割合が推定値で8.8%でした。ただしこの数字は、医師の診断ではなく担任等の回答に基づくもので、発達障害のある子の割合ではなく「特別な教育的支援を必要とする子の割合」だと文部科学省自身が注意書きをつけています。診断の有無にかかわらず、学びにくさや過ごしにくさを抱える子は通常の学級にも一定数いる、という数字として受け止めてください。
保護者学校でも一定数いるなら、フリースクール側も慣れているところはありそうですね。
案内役そう考えてよいと思います。文部科学省の令和元年10月25日付通知でも、不登校の子への支援は、その要因を的確に把握し、学校・家庭・関係機関が情報共有して、一人ひとりに応じたきめ細やかな支援策を立てることが重要だとされ、要因や背景によっては福祉や医療機関等と連携することが不可欠だと書かれています。発達特性が背景にあるケースは、この「関係機関との連携」が特に意識される場面です。
保護者では、どの施設でも受け入れてもらえると考えてよいですか。
案内役そこは慎重に見てください。同じ通知の別添にある「民間施設についてのガイドライン(試案)」は、施設を評価するためのものではなく、保護者・学校・教育委員会が民間施設を見るときの目安を示したものですが、その中に「相談・指導の対象となる者が施設の体制に応じて明確にされていること」「受け入れにあたって面接などで子どものタイプや状況を適切に把握していること」という項目があります。裏返すと、「どんな子を、どこまで受け入れられるか」を施設自身がはっきり示しているかどうかが、まず見るべき点になります。
保護者「うちは誰でも歓迎です」とだけ書いてある施設は、逆に不安ということでしょうか。
案内役一概には言えませんが、体制の説明とセットになっているかを見てほしい、ということです。たとえば「一人で過ごせる部屋がある」「スタッフ1人あたりの子どもの人数はこれくらい」「こういう特性の子の受け入れ経験がある」といった具体があるかどうかです。受け入れると言ってくれても、実際の環境が子どもに合わなければ通い続けるのは難しくなります。
受け入れの実態を見るときの基本姿勢
| 見る点 | 具体的には |
|---|---|
| 対象の明示 | どんな子を、どこまで受け入れられるかを施設が説明しているか |
| 受け入れ前の面談 | 入会前に子どもの様子や特性を聞き取る面談があるか |
| 体制の具体性 | 人数、部屋、スタッフの経験など、言葉だけでなく体制で示せているか |
| 断られた場合 | 理由と、代わりに相談できる先を教えてくれるか |
保護者「合理的配慮」という言葉をよく聞くようになりましたが、フリースクールにも関係ありますか。
案内役関係します。令和3年に障害者差別解消法が改正され、令和6年4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。この法律でいう「事業者」は、営利・非営利、個人・法人を問わず、同じサービスを反復継続して行う者を指し、対象となる「障害者」も手帳を持つ人に限らず発達障害のある人が含まれると政府広報で説明されています。民間のフリースクールも、この枠組みの中で子どもと保護者からの相談に向き合う立場にある、と理解しておくとよいでしょう。
保護者「配慮してください」と言えば、なんでも通るということですか。
案内役そうではありません。政府広報では、事業者と障害のある人が話し合って一緒に解決策を探す「建設的対話」が重要で、申し出への対応が難しい場合でも情報や意見を伝え合うことで代わりの手段を見つけていく、という考え方が示されています。実は政府広報の具体例として「発達障害のあるこどもの保護者と習い事教室」のやりとりが挙げられていて、防音窓の設置は難しくても別の方法を一緒に考える、という流れが紹介されています。フリースクールとのやりとりも、まさにこの「一緒に方法を探す」姿勢で進めるのが現実的です。
保護者対話の相手として見ればいいんですね。少し肩の力が抜けました。次に、放課後等デイサービスとの違いも知りたいです。
放課後等デイサービス・教育支援センターとの違い

保護者発達障害があると「放課後等デイサービス」を勧められることも多いのですが、フリースクールとは何が違うのでしょうか。
案内役制度上の位置づけがまったく違います。放課後等デイサービスは児童福祉法にもとづく障害児通所支援で、こども家庭庁の資料では「授業の終了後又は休校日に、児童発達支援センター等の施設に通わせ、生活能力向上のための必要な訓練、社会との交流促進などの支援を行う」ものとされています。対象は「学校教育法に規定する学校(幼稚園、大学を除く)又は専修学校・各種学校に就学している障害児」です。つまり、学校に在籍していることを前提に、放課後や長期休みの時間帯を支える福祉サービスです。
保護者平日の昼間、学校に行けていない時間帯を過ごす場所ではないんですね。
案内役基本的にはそうです。一方、フリースクールは福祉サービスではなく民間の学び・居場所で、平日昼間の通所を主にしている施設が多いです。もう一つ、教育委員会が設置する公的な「教育支援センター(適応指導教室)」もあります。3つの違いは表で見るとわかりやすいと思います。
3つの場の違い(大まかな整理)
| フリースクール | 放課後等デイサービス | 教育支援センター | |
|---|---|---|---|
| 根拠・運営 | 民間(NPO・株式会社・個人など) | 児童福祉法の障害児通所支援 | 教育委員会が設置 |
| 主な時間帯 | 平日昼間が中心(施設により異なる) | 授業終了後・休校日 | 平日昼間 |
| 対象 | 施設ごとに設定 | 学校等に就学している障害児 | 主に不登校の児童生徒 |
| 費用 | 施設ごとに設定 | 利用者負担の仕組みあり(市町村に確認) | 無償の学習機会と位置づけ |
保護者併用はできるものですか。
案内役制度上、両立できないと決まっているわけではありませんが、放課後等デイサービスの利用手続きや負担の扱いは市町村ごとに運用されるので、併用を考えるなら市町村の障害福祉の窓口に直接確認してください。教育支援センターとの違いは教育支援センターとフリースクールの違い|費用・申込・出席扱いで詳しく扱っています。
保護者位置づけの違いはわかりました。いよいよ、見学で何を確認すればいいかを教えてください。
見学で確認したい7つのポイント
保護者見学のとき、発達特性のある子の保護者として特に聞いておくべきことは何でしょうか。
案内役見学全般の持ち物や流れはフリースクールの見学|聞くこと質問チェックリストにまとめてあるので、ここでは特性への配慮に絞って7つ挙げます。先ほどの民間施設ガイドラインの項目を、保護者の質問に置き換えたものです。
見学で確認したい7つのポイント
| # | 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 1 | 受け入れの範囲 | 「うちの子のような特性の子の受け入れ経験はありますか」「難しいのはどんな場合ですか」 |
| 2 | 入会前の面談 | 「入会前に子ども本人と会って様子を見てもらえますか」 |
| 3 | 人数と個別対応 | 「1日の人数とスタッフの数は」「一人で落ち着ける場所はありますか」 |
| 4 | 専門職・研修 | 「心理や特別支援の経験があるスタッフはいますか」「外部の専門家と連携していますか」 |
| 5 | 保護者への連絡 | 「日々の様子はどのくらいの頻度で、どんな形で教えてもらえますか」 |
| 6 | 学校との連携 | 「在籍校と連絡を取り合った経験はありますか」「出席扱いの相談に必要な書類は出せますか」 |
| 7 | 環境面の配慮 | 「音や光、においで刺激が強い場面はありますか」「予定変更はどう伝えていますか」 |
保護者4番の専門職について、いなければダメということですか。
案内役そうではありません。民間施設ガイドラインは「専門的なカウンセリング等を行うなら、心理学や精神医学等の専門的知識と経験を備えたスタッフが指導にあたっていること」としています。つまり、専門的なカウンセリングをうたうなら相応の人がいてほしい、という趣旨で、居場所として過ごす施設に専門職の常駐を求めているわけではありません。「できること」と「できないこと」を施設が正直に区別して説明しているかのほうが大切です。
保護者5番の保護者への連絡は、なぜ重要なんでしょうか。
案内役同じガイドラインに、施設での指導経過を保護者に定期的に連絡するなど家庭と十分な連携・協力関係が保たれていること、学校との間にも十分な連携・協力関係が保たれていること、という項目があるためです。発達特性のある子は、環境の変化や人間関係の小さな変化で調子が変わることがあり、家庭・施設・学校で様子を共有できているかどうかが通いやすさに直結します。
保護者7番の環境面は、見学でどう見ればいいですか。
案内役子ども本人を連れて行けるなら、実際に部屋で過ごしてみるのが一番です。滞在中の音の大きさ、部屋の明るさ、人の出入りの多さ、休める場所の有無を、保護者の目でも見てください。「予定変更の伝え方」を聞くのは、見通しが立たないと不安になりやすい子にとって重要な点だからです。
見学で避けたい聞き方
「発達障害でも大丈夫ですか」という聞き方だと、「大丈夫です」の一言で終わってしまいがちです。子どもの具体的な様子(大きな音が苦手、初対面が苦手、集中が続きにくい など)を伝えたうえで「そういう場面ではどう対応していますか」と聞くと、施設の実際の体制が見えてきます。
保護者具体的に聞く、ですね。次は出席扱いのことも気になっています。
出席扱いと、学校・医療との連携
保護者フリースクールに通った日は、学校の出席として扱ってもらえるのでしょうか。発達障害があると扱いが変わることはありますか。
案内役発達障害の有無で扱いが変わる、という決まりはありません。文部科学省の別記1では、学校外の民間施設で相談・指導を受けた日数は、一定の要件を満たす場合に校長が指導要録上出席扱いとすることができる、とされています。要件の一つが「保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること」で、その民間施設が子どもにとって適切かどうかは、校長が教育委員会と十分に連携して判断するとされています。
保護者つまり、施設ではなく学校が判断するんですね。
案内役そのとおりです。ですから「ここに通えば出席扱いが確約される」という施設はありません。学校ごと、教育委員会ごとに運用が異なるので、通う前に在籍校に相談し、施設側にどんな書類や連携が必要かを確認してください。制度の詳しい流れはフリースクールの出席扱いの条件|申請の流れにまとめています。
保護者主治医や療育の先生には、フリースクールのことをどう伝えればいいでしょうか。
案内役医療的な判断は主治医の領域なので、ここでは伝え方だけお話しします。文部科学省の通知が「要因や背景によっては福祉や医療機関等と連携し、家庭と学校、関係機関の連携を図ることが不可欠」としているように、施設・学校・医療がばらばらに動くより、保護者を通じて情報がつながっているほうが子どもにとって安心です。見学で聞いた施設の環境や1日の流れを主治医に伝え、気をつける点があれば施設側に共有する、という橋渡しの役をイメージしてください。
保護者保護者が真ん中でつなぐ、ということですね。相談できる窓口も教えてください。
相談窓口
保護者施設選びに迷ったとき、どこに相談すればいいでしょうか。
案内役発達特性に関することなら、まず「発達障害者支援センター」を知っておいてください。国立障害者リハビリテーションセンターの案内によれば、発達障害児(者)への支援を総合的に行う専門機関で、都道府県・指定都市が自ら運営するか、知事等が指定した社会福祉法人・NPO法人等が運営し、本人と家族からの相談に応じて指導と助言を行っています。厚生労働省の施策概要でも、相談支援・発達支援・就労支援・情報提供等を行う機関とされています。
保護者どの地域にもあるんですか。
案内役各都道府県・指定都市に設置されていますが、人口や面積、地域資源によって事業内容には地域性があるので、まずお住まいの地域を担当するセンターに問い合わせるよう案内されています。全国一覧は国立障害者リハビリテーションセンターのサイトにあります。ほかに、教育委員会の教育相談窓口、在籍校のスクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターも、学校とのつなぎ役として相談しやすい相手です。
- 在籍校に「学校外の居場所を検討している」と伝え、担任・スクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーターの誰に相談すればよいか確認する
- 発達障害者支援センター(都道府県・指定都市)に、地域の相談先や支援の選択肢を聞く
- 候補のフリースクールに問い合わせ、上の7つのポイントを聞いたうえで見学の予約をする
- 見学後、施設の環境や1日の流れを主治医や療育先に伝え、気をつける点があれば施設に共有する
- 通うことを決めたら、出席扱いの扱いについて在籍校と教育委員会に確認する
保護者順番がわかると動きやすいです。最後に、このサイトでどう探せばいいですか。
このサイトでの探し方
保護者発達特性への配慮がある施設を、この検索サイトで見つける方法はありますか。
案内役施設詳細ページの「支援内容」欄に、発達障害への対応を挙げている施設があります。ただし正直にお伝えすると、その旨を明示して掲載できている施設はまだ多くありません。掲載していないからといって受け入れていないわけではないので、気になる施設があれば公式サイトを確認したうえで、上の7つのポイントを直接問い合わせてください。都道府県ごとの一覧はトップページから絞り込めます。
保護者家から出ること自体がしんどい時期は、どうすればいいでしょうか。
案内役感覚の過敏さや対人の疲れで通所が難しい時期には、オンライン型の選択肢もあります。オンラインフリースクールの選び方|料金と比較で仕組みを説明しています。費用の見方はフリースクールの費用はいくら|月謝の相場と助成にまとめていますが、料金は施設ごとに大きく違うので、必ず施設に直接確認してください。
保護者受け入れの可否は施設ごと、聞くべきことは具体的に、学校と医療は保護者がつなぐ、と覚えておきます。ありがとうございました。
案内役診断があってもなくても、子どもに合う場所を探す道筋は同じです。焦らず、一つずつ確認していきましょう。
この記事について
この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。
参考資料(一次情報)
- 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」元文科初第698号 令和元年10月25日:文部科学省
- 民間施設についてのガイドライン(試案)(「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」別添3):文部科学省
- 発達障害者支援センターとは|国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター
- 発達障害者支援センター・一覧|国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター
- 障害児通所支援・障害児入所施設の概要(令和7年10月15日更新):こども家庭庁「障害児支援施策」掲載資料
- 通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年12月13日、令和5年5月25日正誤反映版):文部科学省
- リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」:内閣府
- 事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化:政府広報オンライン
- 発達障害者支援施策の概要:厚生労働省
- (別記1)義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて:文部科学省