保護者向けガイド

中学生の不登校とフリースクール|内申・出席扱い・選び方

公開日: 2026-08-17 / 最終確認日: 2026-08-17

保護者

中学2年生の子どもが、夏休み明けから学校に行けなくなりました。小学生の頃は考えられなかったことで、正直まだ受けとめきれていません。中学生だと内申や高校受験もあるので、このままで大丈夫なのかと焦ってしまいます。

案内役

突然のことで戸惑われるお気持ち、よくわかります。まず知っていただきたいのは、中学生の不登校は決して珍しいことではない、という事実です。文部科学省の令和6年度の調査では、中学校の不登校生徒数は216,266人で、小・中学校合計では353,970人と12年連続で増えて過去最多になりました。生徒1,000人当たりで見ると、中学校では67.9人。どの学校のどの学年にも、同じ状況の子がいる規模です。

保護者

中学生だけで21万人以上もいるんですね。

案内役

はい。「うちの子だけ」ではまったくない、というところから一緒に考えていきましょう。この記事では、中学生ならではの心配ごとである内申・学習・進路のこと、フリースクール選びで確認したいこと、出席扱いの仕組み、相談先の順にお話しします。

中学生の不登校は珍しくない

保護者

学年ごとの人数も知りたいです。うちは中2ですが、やはり学年が上がるほど多いのでしょうか。

案内役

文部科学省が毎年公表している調査の、令和6年度の学年別データがこちらです。

中学校の学年別不登校生徒数(令和6年度・全国)

学年不登校生徒数
中学1年生58,736人
中学2年生77,066人
中学3年生80,464人

出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

案内役

中学では小学校から人数が大きく増え、中2・中3では各学年7〜8万人にのぼります。なお、中学2年生については前年度より人数が減った、という動きも同じ調査で報告されています。

保護者

これだけ多いなら、国の支援の考え方もあるんですよね。

案内役

あります。国の令和元年10月25日の通知では、不登校の支援は「学校に登校する」という結果だけを目標にするのではなく、子どもが社会的に自立することを目指す、という考え方が示されています。不登校の時期が休養や自分を見つめ直す意味を持つことがある、とも書かれています。ただ同じ通知は、学業の遅れや進路選択上の不利益といったリスクへの留意も求めています。中学生の場合はこのリスクの部分が保護者の心配の中心になるので、次の節で具体的に見ていきます。

保護者

まさにそこが知りたいです。内申や高校受験はどうなるのでしょうか。

内申・定期テスト・進路はどうなるか

案内役

この節では、中学生の保護者が特に気にされる3つ、内申(調査書)・定期テスト・高校受験の考え方を整理します。最初にお伝えしたいのは、欠席や成績が入試でどう扱われるかは都道府県や高校によって大きく違う、ということです。「不登校だから進学できない」と決まっているわけではありません。

保護者

都道府県によって違うんですか。

案内役

違います。国の通知でも、高校入試の多様化が進む中で、高校で学ぶ意欲や能力を持つ不登校の生徒を適切に評価することが望まれる、と示されています。文部科学省の令和5年度の調査では、公立高校入試で不登校の生徒が欠席の事情などを書いた自己申告書を提出できる(または提出させる)都道府県は全校実施が25、一部の学校で実施が5ありました。調査書の学習の記録や出欠の記録を選抜資料に用いない扱いも、全校実施8・一部実施2の都道府県で行われています。たとえば埼玉県では、在学する中学校長が該当と認めた生徒が自己申告書を出すと、調査書の学習の記録・出欠の記録の得点を使わず、学力検査の得点などと自己申告書の内容で選抜する「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」があります。制度は年度ごとに見直されます。お住まいの地域の具体的な仕組みと調べ方は不登校からの高校受験と内申の考え方で詳しく説明しているので、受験が視野に入ったらそちらをご覧ください。

保護者

学校を休んでいる間の勉強の遅れも心配です。

案内役

学習面には公的な手当てがあります。フリースクールなど学校外の施設で学習している場合、その計画や内容が在籍校の教育課程に照らして適切と判断されれば、学校がその学習を評価して指導要録に記入したり、通知表などで本人や保護者に伝えたりすることに意義がある、と国の通知に書かれています。つまり、学校の外で積み上げた学習が、在籍校の記録に反映される道が制度として用意されています。反映されるかどうかは学校の判断なので、施設の学習内容を学校に共有し続けることが大切です。

保護者

卒業や進級ができるのかも気になっていました。

案内役

国の通知は、欠席日数が長期にわたる子の進級や卒業にあたって、あらかじめ保護者の意向を確認するなどの配慮を学校に求めています。学習の遅れが不安な場合の補充指導の要望にも柔軟に対応する、とされています。取り扱いは学校ごとの判断になるため、心配な点は早めに担任や学年主任に相談しておくと安心です。中学在学中に、国の中学校卒業程度認定試験の情報提供を受けられるようにすることも通知に書かれているので、進路の選択肢は一つではありません。

中学生の「勉強・進路」でおさえたいこと

  • 欠席・調査書の扱いは都道府県・高校で異なる(一律に不利と決まっているわけではない)
  • 学校外での学習は、要件を満たせば在籍校の評価・指導要録に反映される道がある
  • 進級・卒業は保護者の意向確認などの配慮が通知に明記されている。早めに学校と相談を
保護者

少し安心しました。ただ、本人が思春期で、親が何か言うと部屋にこもってしまって。どう関わればいいのか悩みます。

案内役

思春期の関わり方に「正解の手順」はなく、お子さんの状態の見立ては専門的な視点が役に立つ場面です。国の通知では、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーが相談支援体制の「両輪」と位置づけられていて、在籍校を通じて相談を申し込めます。登校できていない期間でも利用できる仕組みなので、本人が動けないうちは保護者だけで相談する形でもかまいません。休み始めた時期の家庭での受けとめ方は不登校の初期に親ができる対応にもまとめています。

保護者

相談しながら、居場所としてフリースクールも考えたいです。選ぶときは何を見ればいいですか。

中学生のフリースクール選びで確認したいこと

案内役

まず前提から。文部科学省のリーフレットでは、フリースクールは学校や教育支援センター以外の、日中の時間帯に不登校の子どもが学習をしたり興味のあることに取り組んだりできる場所、と説明されています。一定の要件を満たせば、在籍校での出席認定や成績評価の対象になります。その上で、中学生の場合は次の点を見学前に確認しておくと選びやすくなります。

中学生で確認したいポイント

確認項目見るポイント
学習支援教科学習の時間があるか。個別かグループか。高校受験を見すえた支援の経験
出席扱いの実績在籍校へ活動報告を出し、出席扱いにつながった実績があるか
同年代の在籍中学生が実際に通っているか。年齢層と人数のバランス
進路の情報卒業生の進路の傾向を聞けるか(特定の進路の保証を求める場ではない)
通い方週1回や午後だけなど、少ない頻度から始められるか
在籍校との連携学校・教育委員会とのやりとりに慣れているか
保護者

同年代の在籍まで聞いていいんですね。

案内役

むしろ中学生では大事な質問です。小学生中心の施設だと本人が居心地の悪さを感じることがありますし、逆に同年代がいると通うきっかけになることもあります。見学のときはお子さん本人の反応が一番の判断材料なので、可能なら体験利用をして様子を見てから決めるのがおすすめです。見学時の質問リストはフリースクール見学のチェックリストに、費用の考え方はフリースクールの費用にまとめています。

本人のペースを最優先に

中学生は「行かなきゃいけないのはわかっている」と本人が一番焦っていることが少なくありません。保護者が急いで通う先を決めるより、見学・体験を通じて本人が「ここならいてもいい」と思える場を探すことが、結果的に近道になることがあります。強く嫌がる場合は時期を置く選択肢もあります。

保護者

施設に通う場合、学校の出席はどう扱われるのでしょうか。

出席扱いの仕組みと学校との連携

案内役

フリースクールなど学校外の施設で相談・指導を受けた日数は、要件を満たす場合に、在籍校の校長の判断で指導要録上「出席扱い」になることがあります。根拠は文部科学省の令和元年10月25日の通知(別記1)で、要件の第一に挙げられているのが「保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること」です。施設の利用を考え始めた段階から担任に伝えて、こまめに連絡を取っておくことがそのまま布石になります。

保護者

通えば自動的に出席になる、というわけではないんですね。

案内役

そのとおりです。出席扱いにするかどうかはあくまで校長の判断で、施設での支援内容が適切かを学校や教育委員会が確認する流れになっています。先ほどお話しした学習の評価の反映も、同じく学校との連携が前提です。要件の詳細と申請の流れはフリースクールと出席扱いの仕組みで説明しています。

保護者

学校との関係を切らないことが大事なんですね。フリースクール以外の選択肢も知っておきたいです。

フリースクール以外の選択肢と相談先

中学生の不登校支援の流れ(①学校に相談 ②見学・体験 ③出席扱いを相談 ④入試の扱いを確認)
案内役

国の通知は、本人の希望を尊重した上で、教育支援センター・学びの多様化学校(旧・不登校特例校)・ICTを活用した学習支援・フリースクール・夜間中学など、さまざまな機関を活用して社会的自立を支援する、という方向を示しています。選択肢は一つではありません。

保護者

それぞれ、どんな場なのでしょうか。

案内役

教育委員会が開設する教育支援センターは、一人一人に合わせた個別学習や相談を行う場で、公共施設の中にあることが多く利用料は基本的に無料です。フリースクールとの違いは教育支援センターとフリースクールの違いで比較しています。学びの多様化学校(旧・不登校特例校)は通常の学校より授業時間数が少ないなど柔軟に学べる学校で、学びの多様化学校とはで仕組みを説明しています。近くに通える施設がない場合や外出がまだ難しい時期は、オンラインフリースクールという形もあります。フリースクールという場の全体像はフリースクールとはをご覧ください。

保護者

選択肢が多くて迷いそうです。最初の一歩はどこからがいいでしょうか。

案内役

文部科学省のリーフレットでは、不登校が続いて学習や生活に不安がある場合、まずは学校か教育委員会の不登校相談担当に相談するよう案内されています。そこを起点に、お子さんに合う場を一つずつ見ていくのが基本の流れです。

  1. 在籍校に現状を伝え、スクールカウンセラー等への相談を申し込む
  2. 教育委員会の不登校相談担当や教育支援センターに問い合わせる
  3. 中学生の在籍実績があるフリースクールを探し、本人と見学・体験する
  4. 利用を決めたら、出席扱いと学習の評価について学校と相談する
  5. 中3になったら、志望地域の入試での欠席の扱いを中学校に確認する
案内役

内申や受験の心配は、中学生の保護者にとって避けて通れないテーマです。ただ、制度の側にも学校の外で学ぶ子を支える仕組みが少しずつ整えられています。ご家庭だけで抱え込まず、学校・教育委員会・施設を味方につけながら、お子さんのペースで進んでいってください。

この記事について

この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。

参考資料(一次情報)