保護者向けガイド
学びの多様化学校(旧不登校特例校)とは|入り方と違い
公開日: 2026-08-12 / 最終確認日: 2026-08-12
保護者不登校の情報を調べていたら「学びの多様化学校」という言葉が出てきました。「不登校特例校」と書いてあるページもあって、同じものなのか別のものなのか、そこからわかりません。
案内役同じものです。もともと「不登校特例校」と呼ばれてきた学校を、文部科学省が令和5年8月31日付の通知で「学びの多様化学校」という新しい名称に変えました。通知には、名称変更に伴って制度や申請手続き等に変更が生じるものではない、と明記されています。ですから、少し前の記事で「不登校特例校」と書かれているものも、指している中身は同じです。
保護者名前が変わっただけなんですね。それで、どういう学校なんでしょうか。
案内役ひとことで言うと、不登校の子どもの実態に合わせて、カリキュラムを特別に組み替えることを国から認められた学校です。フリースクールのような民間の居場所とは違い、学校教育法施行規則に基づいて文部科学大臣が指定する「学校」そのものです。この記事では、制度の仕組み、公立と私立の違い、どうやって入るのか、フリースクールなどとの違いを順番に見ていきます。
学びの多様化学校とは(旧・不登校特例校)
保護者まず、制度としてはどういう位置づけなんですか。
案内役文部科学省の説明では、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成する必要があると認められる場合に、文部科学大臣が学校教育法施行規則第56条などに基づいて学校を指定し、その学校では教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成して教育を実施できる、という仕組みです。この特例は平成17年7月から文部科学大臣の指定で行えるようになりました。
保護者「特別の教育課程」というのは、具体的に何が普通の学校と違うんでしょうか。
案内役通常の学校は、学習指導要領に沿った標準の教育課程で運営されています。学びの多様化学校は、その基準を子どもの実態に合わせて組み替えられるのが特徴です。文部科学省は指導上の工夫の例として、学習状況にあわせた少人数指導や習熟度別指導、家庭訪問や保護者への支援、学校外の学習プログラムの積極的な活用などを挙げています。実際の学校では、独自教科を新設したり、登校時間を遅らせたり、授業時間数にゆとりを持たせたりする例が、文部科学省の設置者一覧に載っています。
保護者誰でも入れる学校ではなく、不登校の子のための学校、という理解でいいですか。
案内役そこは制度上はっきりしています。文部科学省の告示に関する説明では、不登校児童生徒以外の児童生徒は特別の教育課程の対象にはなり得ない、とされています。一方で「不登校かどうか」の線引きは機械的ではありません。年間30日以上の欠席という調査上の定義が一つの参考とされつつ、判断は学校やその管理機関が行い、断続的な不登校や不登校の傾向が見られる子も対象となり得る、という書き方です。完全に学校に行けていない状態でなくても相談する価値はあります。
保護者傾向がある段階でも対象になり得るんですね。少しほっとしました。
公立と私立、学校のかたち
保護者学びの多様化学校には、公立と私立があるんでしょうか。
案内役両方あります。文部科学省が公表している設置者一覧を見ると、たとえば八王子市立高尾山学園(平成16年指定)は八王子市教育委員会が管理機関の公立校、星槎中学校は学校法人国際学園が運営する私立校です。公立は市区町村や都道府県の教育委員会が設置するので対象者や通学範囲がその自治体の子どもに限られることが多く、私立は学校ごとの募集要項に沿って選考される形が中心です。費用のかかり方も、公立と私立では大きく違ってきます。
保護者学校のかたちにも種類があるんですか。「分教室」という言葉を見かけました。
案内役設置者一覧では、独立した学校としてつくられる本校型のほか、分校型、既存の学校の中に教室単位で設けられる分教室型、高校で特定のコースだけが指定されるコース指定型という形態が示されています。校舎ごと新設するだけでなく、いまある学校の一部を使って開設できるので、自治体が設置しやすくなっているんです。
保護者全国にどれくらいあるんでしょうか。近くにあるのか気になります。
案内役国の方針から見ていきましょう。文部科学省が令和5年3月31日にまとめた不登校対策「COCOLOプラン」は、早期に全ての都道府県・政令指定都市に設置し、将来的には分教室型も含めて全国300校を目指す、と掲げています。COCOLOプラン時点(令和5年2月現在)では21校でしたから、そこから設置を増やしている途中の制度です。最新の学校名と所在地は、文部科学省の「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」のページで確認できます。まだ設置されていない地域も多いので、まずお住まいの都道府県・市区町村にあるかどうかを一覧で見てみてください。
保護者増えている途中なんですね。それで、近くにあった場合はどうやって入るんでしょうか。
入り方(転入学までの流れ)

案内役入り方は、公立か私立か、そして学校ごとに違います。ここでは公立の実例を見てみましょう。岐阜市立草潤中学校の岐阜市公式サイトの案内では、令和9年度の新1年生は10名程度の募集で、入学・転入を希望する人は学校説明会への参加が必須、年度途中の転入学は受け付けていない、とされています。問い合わせ先も学校ではなく岐阜市教育委員会の担当課が窓口です。
保護者思っていたより、募集の枠が小さいんですね。
案内役少人数で手厚く見る学校なので、募集人数を絞っている例は珍しくありません。説明会や体験会が事実上の必須ステップになっていたり、募集時期が年1回に限られていたりと、普通の転校とは手続きの流れがまったく違うのが実情です。だからこそ、思い立ったときに早めに情報を取りに行くことが大事になります。一般的な相談の入り口を手順にまとめます。
- 文部科学省の設置者一覧で、通える範囲に学びの多様化学校があるか確認する
- 公立なら設置している自治体の教育委員会、私立なら学校の窓口に問い合わせる(在籍校の担任・スクールカウンセラーに相談して情報をもらう経路もある)
- 学校説明会・見学会・体験会の日程を確認し、申し込む
- 募集時期・定員・選考の流れを確認し、在籍校とも共有しながら転入学の手続きを進める
募集人数・時期は学校ごとに大きく違います
この記事で紹介した募集人数や説明会の要件は岐阜市立草潤中学校の例で、学校・年度によって条件は異なります。転入学できるかどうかは各学校・教育委員会の判断によるため、必ず設置自治体の教育委員会または学校の公式案内で最新の募集情報を確認してください。
保護者手続きの入り口はわかりました。ところで、フリースクールとはどう使い分ければいいんでしょうか。
フリースクール・教育支援センターとの違い
案内役文部科学省の令和元年10月25日付の通知は、教育支援センター、不登校特例校(現・学びの多様化学校)、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援を、一人一人の状況に応じて確保すべき「多様な教育機会」として並べています。つまり国の整理でも、この3つは並び立つ選択肢です。違いを表にします。
学びの多様化学校・教育支援センター・フリースクールの違い
| 軸 | 学びの多様化学校 | 教育支援センター | フリースクール |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 文部科学大臣が指定する学校 | 教育委員会が設置する公的施設 | NPO法人・株式会社などの民間施設 |
| 籍の扱い | その学校に転入学して通う | 在籍校に籍を残したまま通所 | 在籍校に籍を残したまま利用 |
| カリキュラム | 特別の教育課程を編成できる | 相談・指導(学習支援を含む) | 施設ごとに内容はさまざま |
| 入り口 | 教育委員会・学校の募集手続き | 在籍校・教育委員会への相談 | 施設へ直接問い合わせ |
保護者一番大きな違いは「籍」なんですね。
案内役そうです。学びの多様化学校は転入学して通う学校そのものなので、そこに通うこと自体が学校生活になります。一方、フリースクールは在籍校に籍を置いたまま利用する民間施設で、通った日数は、適切な支援を受けていると評価できる場合に在籍校の校長が指導要録上の出席扱いにできる、という仕組みです。出席扱いは自動ではなく校長の判断による点に注意してください。この仕組みの詳細はフリースクールと出席扱い制度で、教育支援センターとの比較は教育支援センターとフリースクールの違いで詳しく扱っています。
保護者うちの子の場合、どれを選べばいいのか迷いそうです。
案内役どれか一つに決め打ちする必要はありません。学びの多様化学校は魅力的な選択肢ですが、地域にまだない場合や、募集時期が合わない場合もあります。その間の居場所としてフリースクールや教育支援センターを使い、並行して転入学の情報を集める、という組み合わせ方も現実的です。民間のフリースクールを探すなら、当サイトの都道府県別のフリースクール検索も使ってみてください。そもそもフリースクールがどういう場所かはフリースクールとはにまとめています。
保護者選択肢を並行して考えていいと聞いて、気が楽になりました。まず何から始めればいいですか。
案内役最初の一歩は情報集めです。文部科学省の設置者一覧で近くの学校を確かめること、そして在籍校の担任やスクールカウンセラー、自治体の教育委員会に「学びの多様化学校への転入学を考えている」と伝えて相談することから始めてください。制度の適用や転入学の可否は学校・教育委員会の判断によるので、公式の窓口に早めにつながっておくことが、結局いちばんの近道になります。
この記事について
この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。
参考資料(一次情報)
- 学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)について:文部科学省
- 学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧:文部科学省
- 不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要:文部科学省
- 「不登校特例校」の新たな名称について(通知)5初児生第17号 令和5年8月31日:文部科学省
- 誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)令和5年3月31日:文部科学省
- 草潤中学校への入学・転入:岐阜市公式ホームページ
- 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」元文科初第698号 令和元年10月25日:文部科学省
- (別記1)義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて:文部科学省