保護者向けガイド
不登校の勉強の遅れは取り戻せる?焦らない学び直し
公開日: 2026-08-26 / 最終確認日: 2026-08-26
保護者子どもが学校を休むようになって数か月たちました。本人の気持ちを尊重したい一方で、勉強がどんどん遅れていくのが心配です。遅れは取り戻せるのでしょうか。
案内役その心配は、不登校のお子さんを持つ保護者の方が最初に口にすることが多いものです。先にお伝えしたいのは、国の方針でも「学校に登校する」という結果だけを目標にはしていない、ということです。文部科学省が令和元年10月25日に出した通知では、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益のリスクにも留意する、という両面の考え方が示されています。つまり「休むこと」と「学びを続けること」は対立するものではなく、両方に目を配ればいいのです。この記事では、遅れの捉え方、学び直しの場の選択肢、学校外の学びが評価される仕組みの順にお話しします。
勉強の遅れをどう捉えるか
保護者遅れの捉え方、ですか。正直、周りの子と比べて焦ってしまいます。
案内役まず知っておいてほしいのは、同じ状況にいる家庭がとても多いことです。文部科学省の令和6年度の調査では、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人と過去最多でした。一方で増加率は2.2%と前年度より低下しています。決して珍しい状況ではなく、後でお話しするように、学校外で学んで評価につなげている子も大勢います。
保護者そんなに多いんですね。少し気持ちが軽くなりました。
案内役それから、勉強と不登校の関係はもう少していねいに見る必要があります。同じ調査で学校が把握した事実としては、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が30.1%で最も多く、「学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた」も15.6%ありました。国の通知でも、学業のつまずきから学校へ通うことが苦痛になるケースがあることを踏まえて、個に応じた指導の充実が求められています。つまり勉強の遅れは「本人の怠け」ではなく、支援の仕方を工夫すべき課題として扱われているのです。
焦って詰め込む前に
学業の不振が不登校のきっかけの一つになることは、国の通知でも指摘されています。遅れを一気に取り戻そうとして本人の負担を増やすと、勉強そのものへの苦手意識を強めてしまう心配があります。休養が必要な時期かどうかを本人の様子から見極め、学び直しのペースは本人と相談しながら決めることが出発点です。
保護者遅れた分を全部すぐに埋めよう、と考えなくていいんですね。
案内役そうです。国の方針が目指しているのは、お子さん自身が進路を主体的に捉えて社会的に自立していくことです。そのための学びの場は学校の教室だけではありません。次は、実際にどんな選択肢があるかを見ていきます。
学び直しの場の選択肢

保護者学校以外で勉強を続けるとしたら、どんな場所があるのでしょうか。
案内役文部科学省の通知では、一人一人の状況に応じて、教育支援センター、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援など、多様な教育機会を確保する必要があるとされています。代表的な選択肢を表にまとめました。
| 選択肢 | 特徴 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| フリースクール(学習支援あり) | 民間の居場所。施設によって個別学習の支援や教科学習の時間がある | 家以外の居場所もほしい。人とのつながりの中で学びたい |
| 教育支援センター | 教育委員会等が設置する公的機関。相談と学習支援を受けられる | 公的な支援を無料で受けたい。在籍校との連携を重視したい |
| 自宅でのICT教材・オンライン学習 | 自宅で自分のペースで学べる。要件を満たせば出席扱いの対象になる場合がある | 外出がまだ難しい。まず生活リズムと学習習慣を整えたい |
保護者フリースクールにも、勉強を見てくれるところがあるんですね。
案内役はい。フリースクールは施設ごとに特色が大きく異なり、教科学習の支援に力を入れる施設もあれば、体験活動や居場所づくりを中心にする施設もあります。当サイトのフリースクール検索では学習支援の有無で施設を絞り込めるので、お住まいの地域の候補を見てみてください。フリースクールという場そのものについてはフリースクールとは何かで、公的機関との違いは教育支援センターとフリースクールの違いで詳しく説明しています。
保護者外に通うのがまだ難しい場合は、自宅での学習からでもいいのでしょうか。
案内役通知の別記2は、まさに家庭で過ごしがちなお子さんを支援するための仕組みで、不登校による学習の遅れが学校復帰や中学校卒業後の進路選択の妨げになる場合があることを踏まえて作られています。一定の要件を満たせば、自宅でのICT等を活用した学習も出席扱いや成績評価の対象にできるとされています。オンラインで学べる場についてはオンラインフリースクールという選択肢も参考になります。ただし、どの選択肢を選ぶにしても大切な前提があるので、次の節でお話しします。
学校外の学びが評価される仕組み

保護者大切な前提、というのは何でしょうか。
案内役在籍校とつながり続けることです。通知では、フリースクール等の学校外の施設で学んでいる場合、在籍校がその学習状況を把握することが学習支援や進路指導の上で重要だとされています。そして、学習の計画や内容が学校の教育課程に照らして適切と判断される場合には、その学習の評価を指導要録に記入したり、通知表などでお子さんや保護者に伝えたりすることに意義があるとされています。学校の外で学んだことも、在籍校の記録に反映されうる仕組みがあるのです。
保護者学校を休んでいても、成績が全部白紙になるわけではないんですね。
案内役実際に、令和6年度の調査では、自宅や学校外の機関等での学習の成果を指導要録に反映した児童生徒は81,467人いました。学校外の機関等での相談・指導を出席扱いとした児童生徒は42,978人、自宅でのICT等を活用した学習活動を出席扱いとした児童生徒は13,261人です。ただし注意してほしいのは、これらは自動的に認められるものではない、という点です。出席扱いにするかどうかを判断するのは在籍校の校長で、保護者と学校との連携・協力関係が保たれていることなどの要件があります。
保護者内申への影響も気になります。高校受験は大丈夫でしょうか。
案内役評価の記載は、必ずしもすべての教科について評定を付ける形が求められるわけではなく、学習状況を文章で記述する形もあるとされています。どう反映されるかは学校ごとの判断になるため、断定はできません。だからこそ、早めに在籍校と相談しておく価値があります。高校受験との関係は不登校からの高校受験で詳しく扱っています。
- 在籍校の担任・管理職に、学校外で学習を続けたい意向を伝える
- フリースクールや教材の学習計画・内容を学校と共有する
- 出席扱いや成績評価の扱いを、在籍校・教育委員会の運用に沿って確認する
- 通所状況や学習状況を、学校と施設・家庭で定期的に共有し続ける
保護者自宅でのオンライン学習の場合も、同じように学校との連携が要るのでしょうか。
案内役自宅学習の場合はさらに条件があります。別記2では、訪問等による対面指導が定期的かつ継続的に行われることが前提とされ、学習活動は本人の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであることが求められています。また、自宅学習を出席扱いにするのは、基本的に学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合とされています。教材を買って自宅でやらせれば出席扱いになる、という単純な話ではない点に注意してください。詳しい条件と手続きはフリースクールの出席扱いの条件にまとめています。
保護者条件は学校によっても違いそうですね。
案内役そのとおりで、運用の細かい部分は学校や教育委員会ごとに異なります。ここで挙げた要件はあくまで国の通知の枠組みなので、実際の可否は必ず在籍校と教育委員会に確認してください。仕組みがわかったところで、最後に、今日から動ける小さな一歩をお話しします。
焦らないための進め方
保護者具体的には、何から始めればいいでしょうか。
案内役最初の一歩は在籍校への相談です。学習の遅れへの不安そのものも、学校に伝えてよい相談事項です。通知では、保護者から学習の遅れに対する不安により補充指導などの要望がある場合には、柔軟に対応することが求められています。進級や卒業のタイミングで慌てる前に、担任の先生に「遅れが心配で、補充指導や学校外での学習の扱いを相談したい」と伝えてみてください。
保護者学校に相談しながら、並行して学びの場を探せばいいんですね。
案内役はい。フリースクールを候補にするなら、見学のときに学習支援の内容を確認するのがおすすめです。教科学習の時間があるか、個別のペースに合わせてくれるか、在籍校との連携票のやりとりに慣れているか、といった点は施設によって差が出ます。見学で確認すべきポイントはフリースクール見学チェックリストにまとめているので、あわせて使ってください。
この記事の要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 遅れの捉え方 | 休養の意味と学業の遅れのリスクの両方に目を配る。一気に詰め込まない |
| 学びの場 | フリースクール(学習支援あり)・教育支援センター・自宅ICT学習など複数ある |
| 評価の仕組み | 学校外の学びも、要件を満たせば出席扱いや指導要録への反映の対象になりうる |
| 判断するのは | 在籍校の校長・教育委員会。まず在籍校への相談から始める |
保護者遅れを取り戻すことばかり考えていましたが、まず学校に相談して、子どもに合う学びの場を探すところから始めてみます。
案内役それが一番の近道だと思います。学びのペースはお子さんごとに違って当然です。数か月単位の遅れがあっても、本人に合う場と方法が見つかれば学び直しは続けられますし、その努力を評価する仕組みも用意されています。一人で抱え込まず、在籍校と地域の支援先を頼りながら進めてください。
この記事について
この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。