保護者向けガイド

夏休み明けの「学校に行きたくない」への対応と相談先

公開日: 2026-09-02 / 最終確認日: 2026-09-02

保護者

夏休みが明けて2学期が始まったのですが、小学生の子どもが朝になると「学校に行きたくない」と言うようになりました。夏休み前までは普通に通えていたので、急にどうしたのだろうと戸惑っています。無理にでも送り出した方がいいのでしょうか。

案内役

まず知っていただきたいのは、夏休み明けは「行きたくない」という声が出やすく、国も特に注意を求めている時期だという点です。文部科学省は令和6年7月12日付けの通知で、18歳以下の自殺は学校の長期休業明けにかけて増加する傾向があるとして、学校に対応の強化を求めています。それだけ子どもの心の負担が大きくなりやすい時期なので、「無理にでも行かせる」は選ばない方が安全です。

保護者

そこまで重く受けとめるべき時期なんですね。知りませんでした。

案内役

深刻に構える必要はありませんが、「たかが行き渋り」と流さない方がよい時期ではあります。この記事では、夏休み明けという時期の特徴、家庭での受けとめ方、相談できる窓口、休みが長引きそうなときの選択肢の順にお話しします。なお、体調不良や心身の不調が続く場合の医療的な判断はこの記事の範囲ではなく、医療機関や専門の相談窓口の役割です。

夏休み明けは、子どもの負担が大きくなりやすい時期

保護者

どうして夏休み明けは「行きたくない」が増えるのでしょうか。うちの子に何か特別な問題があるのかと不安になります。

案内役

お子さんだけが特別なわけではありません。長い休みのあとは、生活リズムの切り替え、宿題や勉強の不安、久しぶりの友人関係など、負担が一度に重なりやすいタイミングです。先ほどの文部科学省の通知でも、平成27年版自殺対策白書のデータとして、9月1日に児童生徒の自殺者が顕著に多いことが示されています。国が学校に対して、長期休業の開始前から休業明けにかけて自殺予防の取組に全力で取り組むよう求めているのは、この時期の重さが知られているからです。

保護者

9月1日という日付まで分かっているんですね。

案内役

はい。だからこそ文部科学大臣も新学期を前に「悩みや困ったことがあったら、ひとりで抱え込まず、信頼できる人に話してみてください」と、子どもたち本人へ向けたメッセージを毎年のように出しています。保護者向けの文書も同じページで公開されています。家庭でできる最初の対応は、「行きたくない」という言葉を否定せずに受け取ることです。

こんなサインがあるときは、登校より休養を優先

  • 表情が暗い、食欲がない、眠れない状態が続いている
  • 頭痛や腹痛など、体の不調が朝に繰り返し出る
  • 「消えたい」「いなくなりたい」という言葉が出た

このような様子があるときは、登校を促すことをいったん止めて休ませ、後述の相談窓口や医療機関に早めにつないでください。

保護者

時期の特徴は分かりました。では、実際に「行きたくない」と言われた朝、親はどう受けとめればいいのでしょうか。

「行きたくない」と言われたときの家庭での受けとめ方

夏休み明けに「学校に行きたくない」と言われたときの家庭の初期対応4ステップ。1に受け取る(子どもの気持ちを否定しない)、2に休ませる(心身の回復を優先)、3に学校に伝える(欠席の扱いや連絡方法を確認)、4に相談する(教育相談窓口や24時間子供SOSダイヤルへ)
案内役

大切なのは、学校に行くことだけをゴールにしないことです。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知では、不登校児童生徒への支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す、と示されています。休み始めの段階でも、この考え方は同じように役立ちます。

保護者

「今日行けるかどうか」だけで一喜一憂しなくていい、ということですか。

案内役

そのとおりです。同じ通知には、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つことがある、とも書かれています。一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益といったリスクへの留意も併記されているので、「ずっと放っておいてよい」という意味ではありません。まずは休ませて安心を取り戻し、その間に情報集めと相談を進める、という二本立てで考えるのが現実的です。

家庭での初期対応の基本

  • 「どうして行けないの」と理由を問い詰めず、まず「そうなんだね」と受け取る
  • 責めたり、登校と引き換えの約束(ごほうび・罰)をしたりしない
  • 休ませる日は心と体の回復を優先し、家庭を安心できる場所にする
  • 学校には早めに状況を伝え、欠席の扱いや連絡の方法を確認しておく
保護者

少し肩の力が抜けました。生活リズムが夜型に崩れているのも気になっているのですが。

案内役

生活リズムは、本人を責めながら直そうとすると逆効果になりやすいテーマです。整え方の考え方は不登校中の生活リズムの整え方で詳しく扱っています。また、休み始めの初動全般は不登校の初期に親ができる対応にもまとめてあるので、あわせて読んでみてください。

保護者

家庭でできることは分かってきました。親子だけで抱えきれないときは、どこに相談すればいいですか。

相談できる窓口

案内役

相談先は大きく三つあります。一つ目は在籍している学校で、担任のほかスクールカウンセラーにも相談できます。二つ目は自治体の教育相談窓口や教育支援センターで、在籍校とは別の場所で相談したいときの入口になります。三つ目は電話やSNSの相談窓口で、夜間や休日でもつながる先があります。

保護者

夜や休日に子ども本人が話したくなったときは、どこにかければいいのでしょう。

案内役

文部科学省が案内している「24時間子供SOSダイヤル」(0120-078310)があります。夜間・休日を含めていつでも電話でき、原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながる仕組みです。子ども本人だけでなく保護者も利用できます。つながりにくいときも、ためらわずかけ直してよいと案内されています。

窓口特徴
在籍している学校担任・スクールカウンセラーへの相談。欠席の扱いや学校生活の調整の入口
自治体の教育相談・教育支援センター在籍校とは別の場所での相談・支援。名称や窓口は自治体ごとに異なる
24時間子供SOSダイヤル(0120-078310)夜間・休日を含めいつでも電話相談でき、地域の教育委員会の相談機関につながる
保護者

電話のほかに、子どもが自分で使いやすい窓口はありますか。

案内役

文部科学大臣メッセージのページでは、どこに相談すればよいか分からない人向けに、政府の孤独・孤立対策のチャットボットやSNS相談窓口も案内されています。「親には話しにくいことがある」時期の子どもにとって、家族以外の相談先を知っておくこと自体が支えになります。お住まいの地域の窓口の探し方は、不登校の初期に親ができる対応でも紹介しています。

保護者

窓口は分かりました。もし休みが長引きそうなときは、学校以外の居場所も考えた方がいいのでしょうか。

休みが長引きそうなときの選択肢

案内役

焦って決める必要はありませんが、選択肢を知っておくと気持ちに余裕が生まれます。令和元年10月25日付けの通知では、本人の希望を尊重した上で、教育支援センターやフリースクール、ICTを活用した学習支援など、学校以外の関係機関を活用した支援が示されています。学校に戻ることだけが道ではない、というのが国の示す前提です。

保護者

フリースクールに通った場合、学校の出席はどうなるのですか。

案内役

フリースクール等での活動が在籍校で出席扱いと判断される場合がありますが、その判断は在籍校の校長が行うもので、条件も学校や教育委員会によって異なります。詳しい仕組みと確認の手順はフリースクールは出席扱いになる?にまとめています。フリースクールがどんな場所かを知りたい段階なら、フリースクールとはから読むのがおすすめです。

保護者

まずは休ませて相談しながら、並行して居場所の情報も集めてみます。

案内役

それがいちばん無理のない進め方だと思います。夏休み明けの「行きたくない」は、子どもが出してくれた大事なサインです。ひとりで抱え込まず、学校・自治体・電話相談を頼りながら、お子さんのペースで次の一歩を考えていってください。

この記事について

この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。

参考資料(一次情報)