保護者向けガイド

フリースクールが合わないとき|辞める・移る前にできること

公開日: 2026-09-04 / 最終確認日: 2026-09-04

保護者

子どもが数か月前からフリースクールに通い始めました。最初は楽しそうだったのに、だんだん行きたがらなくなり、先日「もう辞めたい」と言われました。やっと見つけた居場所だったので、また振り出しに戻るのかと正直落ち込んでいます。辞めさせてもいいのでしょうか。

案内役

まずお伝えしたいのは、フリースクールが合わなくて見直すことは、珍しいことでも失敗でもないということです。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知も、教育支援センターやフリースクールなどさまざまな場を「本人の希望を尊重した上で」活用して支援する、という考え方を示しています。本人が「ここは合わない」と感じているなら、その希望に沿って場を選び直すのは、国の示す方向性から外れた行動ではありません。

保護者

合わなければ変えていい、が前提なんですね。

案内役

そうです。ここからは、「辞めたい」の背景の見取り方、施設との話し合い方、辞める・移るときの手続きと在籍校への連絡、次の居場所の探し方の順にお話しします。なお、食欲がない・眠れないなど心身の不調が続いている場合の判断は、この記事ではなく医療機関や専門の相談窓口の領域です。

「辞めたい」の背景をまず見取る

フリースクールが合わないときの4ステップ。ステップ1は様子を見取る(3つの軸でミスマッチを探る)、ステップ2は施設と話す(調整や休会を相談)、ステップ3は手続きと連絡(規約確認・在籍校へ報告)、ステップ4は次の居場所探し(条件を言葉にして再検索)
保護者

本人に「どうして行きたくないの」と聞いても、はっきりした答えが返ってきません。理由がわからないまま辞めさせていいものでしょうか。

案内役

学校に行きづらくなったときと同じで、理由を問い詰めるのは避けたい対応です。本人にも言葉にできないことは多いですし、責められた記憶だけが残りがちです。文部科学省の通知も、不登校の支援では本人を見守りつつ、きっかけや継続理由に応じて環境づくりのための適切な支援や働き掛けを行う、という考え方を示しています。フリースクールとの相性を考えるときも、この「理由に応じて環境を整える」という順番が役に立ちます。

保護者

具体的には、どんなところを見ればいいですか。

案内役

「誰と・何を・どんなペースで」の3つに分けて様子を見ると、ミスマッチの正体が見えやすくなります。人間関係なのか、活動内容なのか、通う頻度や時間帯なのか、という切り分けです。帰宅後の表情や、どの曜日に行き渋るかにヒントが出ることもあります。

ミスマッチの正体を探る3つの軸

  • 誰と: 他の子との関係、スタッフとの相性、人数の多さ・少なさ
  • 何を: 活動内容が本人の興味と合っているか、学習の比重が重すぎ・軽すぎないか
  • どんなペースで: 通う頻度・時間帯・移動距離が本人の体力に合っているか
保護者

たしかに、どれが原因かで対応は変わりそうですね。

案内役

もうひとつ大事なのは、「辞めたい」がそのまま「退会」に直結するとは限らないことです。通う日数を減らす、活動を変える、しばらく休会するといった中間の選択肢を施設と一緒につくれる場合もあります。次の節で、その話し合いの進め方をお話しします。

辞める前に、施設と一度話す

保護者

施設に「合っていない気がする」と伝えるのは、少し気が引けます。クレームのように受け取られませんか。

案内役

心配いりません。文部科学省がまとめた「民間施設についてのガイドライン(試案)」は、施設での指導経過を保護者に定期的に連絡するなど、家庭との間に十分な連携・協力関係が保たれていることを、保護者や学校が施設を見るときの目安に挙げています。つまり、家庭と施設が子どもの様子をやり取りするのは本来想定されている関係で、「様子が変わってきたので相談したい」という申し出は施設側にとっても大切な情報です。

保護者

話し合いでは、何を聞けばいいでしょう。

案内役

まず施設側から見た本人の様子を聞いてみてください。家では行き渋っていても、施設では落ち着いて過ごせているというように、家庭と施設で見え方が違うことがあります。そのうえで、通う頻度や活動内容を調整できるか、休会の仕組みがあるかを確認します。同じガイドラインは、指導内容・方法や体制があらかじめ明示され、子どものタイプや状況に応じた相談・指導が行われていることも目安にしているので、本人に合わせた調整を相談すること自体は筋違いではありません。

保護者

話しても改善しなかったら、そのときは辞めていいんですね。

案内役

はい。ガイドライン自体、個々の施設の良し悪しを判定するものではなく、あくまで留意点の目安という位置づけです。相性は実際に通ってみないとわからない部分がどうしても残ります。話し合いを経ても本人がつらそうなら、辞める・移るという判断に進んで大丈夫です。

こんなときは、ためらわず離れる選択を

  • 費用や指導内容の説明があいまいなまま、追加の支払いを求められる
  • 退会を申し出ても強く引き止められ、話が進まない
  • 宿泊型の施設で、面会や退所を制限されている

文部科学省のガイドラインは、入会金・授業料等が明確にされ保護者に情報提供されていること、宿泊による指導を行う施設では指導方針がどうであれ保護者に面会や退所の自由が確保されていることを目安に挙げています。当てはまる不安があるときは、自治体の教育委員会や教育相談窓口にも状況を伝えてください。

保護者

わかりました。辞めると決めたら、手続きはどう進めればいいですか。

辞める・移るときの手続きと在籍校への連絡

案内役

フリースクールは民間の施設なので、退会の手続きは施設ごとの規約で決まります。入会時にもらった会則や契約書で、退会の申し出をいつまでにするか、支払済みの費用の扱いがどうなるかを確認してから申し出ると、行き違いを防げます。先ほど触れたとおり、費用が明確にされ保護者に情報提供されていることはガイドラインの目安でもあるので、不明な点は遠慮なく施設に確認してください。

保護者

在籍している小学校には、伝える必要がありますか。

案内役

伝えてください。特に、フリースクールへの通所が在籍校で出席扱いになっている場合は必須と考えたほうがいいです。学校外の施設で相談・指導を受けた日数は、一定の要件を満たす場合に校長の判断で指導要録上の出席扱いとなる仕組みで、その要件には保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていることが含まれています。通う先が変わるのに学校へ伝えないままだと、この前提が崩れてしまいます。

保護者

次の施設に移った場合、出席扱いはそのまま引き継がれますか。

案内役

自動では引き継がれません。民間施設での相談・指導がその子にとって適切かどうかは、校長が教育委員会と連携して判断するとされており、施設が変わればその判断も改めて行われます。前の施設で出席扱いだったから次も同じ、とは限らない点に注意してください。詳しい要件と手順はフリースクールは出席扱いになる?にまとめています。

  1. 入会時の規約・契約書で退会の申し出期限と費用の扱いを確認する
  2. 施設に退会(または休会)を申し出て、最終利用日と精算を確定する
  3. 在籍校の担任に、辞めたことと今後の予定を伝える
  4. 次の施設を利用する場合は、出席扱いの扱いを在籍校に改めて相談する
保護者

手続きの流れはつかめました。次の居場所は、どう探し直せばいいでしょう。

次の居場所はどう探す?

案内役

合わなかった経験は、次を選ぶための貴重な情報になります。前の節の「誰と・何を・どんなペースで」のうち何が合わなかったのかを言葉にして、次の候補を見るときの条件にしてください。たとえば人数の多さが負担だったなら少人数の施設を、移動距離が負担だったなら近い施設やオンライン型を、という具合です。候補探しは当サイトのフリースクール検索で地域から絞り込めます。見学のときに確認したいことはフリースクール見学のチェックリストにまとめています。

保護者

フリースクール以外の選択肢も考えたほうがいいですか。

案内役

視野に入れておくと楽になります。文部科学省の通知は、一人一人の状況に応じて教育支援センター、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援といった多様な教育機会を確保する、という考え方を示しています。公的な教育支援センターとの違いは教育支援センターとフリースクールの違いで詳しく説明しています。また、同じ通知は、支援の目標は「学校に登校する」という結果だけではなく社会的な自立だとも示しています。「どこかに毎日通うこと」だけをゴールにせず、家でしばらく休む期間を挟むことも選択肢のひとつです。

保護者

親としては、また合わなかったらどうしようという不安が残ります。

案内役

その不安はとても自然なものです。抱え込みそうなときは、不登校で親がつらいときの相談先で紹介している窓口を頼ってください。子ども本人が誰かに話したくなったときには、文部科学省が案内している「24時間子供SOSダイヤル」(0120-078310)があります。夜間・休日を含めいつでも電話でき、原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

保護者

合わなかったのは失敗ではなく、次の条件がわかったということ。そう考えて、子どもと一緒に探し直してみます。

案内役

それがいちばん前向きな受けとめ方だと思います。一度合わなかったからといって、お子さんに合う場所がないわけではありません。本人の希望を聞きながら、無理のないペースで次の一歩を探していってください。

この記事について

この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。

参考資料(一次情報)