保護者向けガイド
不登校中の学校への連絡|担任とのやり取りの決め方
公開日: 2026-09-19 / 最終確認日: 2026-09-19
保護者中学2年の子どもが学校に行けなくなって、2か月がたちました。担任の先生は毎朝8時ごろに電話をくださり、週に1回は家庭訪問にも来てくださいます。ありがたいはずなのに、電話が鳴るたびに子どもは部屋にこもってしまい、私も朝から身構えるようになりました。連絡を減らしてほしいと言ってもいいものか、言ったら見捨てられるのではないかと迷っています。
案内役その迷いで止まってしまう家庭はとても多いです。先に結論をお伝えすると、連絡の回数や方法について希望を伝えることは、学校との関係を切る行為ではありません。国が学校に求めているのは家庭とつながり続けることであって、「毎朝電話をかけること」そのものではないからです。ここからは、学校が連絡してくる理由、連絡の形を相談するときの伝え方、担任以外に話せる相手、学校の外に通い始めたときに伝えること、やり取り自体がつらくなったときの窓口の順にお話しします。
保護者希望を伝えてもいいんですね。
案内役はい。ただし連絡の体制は学校・教育委員会ごとに運用が違うので、この記事でお伝えできるのは一般的な考え方と国の通知の中身までです。最終的な決め方は在籍校との相談になります。個々の先生の対応を責める話ではなく、家庭と学校の連絡をどう設計し直すかという話として読んでいただければと思います。
学校はなぜ、毎日のように連絡してくるのか
保護者そもそも、なぜ学校はこれほど連絡してくるのでしょうか。「早く登校させろ」という催促に感じてしまいます。
案内役催促だけが理由ではない、というのがまず押さえたいところです。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知では、学校はプライバシーに配慮しつつ、定期的に家庭訪問を実施して児童生徒の理解に努める必要があるとされています。つまり定期的に接点を持つこと自体が、学校に求められている役割です。そのうえで同じ通知は、家庭訪問を行う際は常にその意図・目的、方法及び成果を検証し、適切な家庭訪問を行う必要があるとも書いています。「決められた回数をこなす」ではなく「その連絡が役に立っているか点検しながらやる」という書き方になっている点が大事です。
保護者点検しながら、ですか。
案内役そうです。もうひとつ、連絡が途切れること自体が学校にとって重い意味を持つ、という事情もあります。同じ通知には、家庭訪問や電話連絡を繰り返しても子どもの安否が確認できない場合は、直ちに市町村や児童相談所への通告、警察等への情報提供といった対処が必要だと書かれています。先生が連絡にこだわる背景には、この安否確認の責任があります。逆にいえば、子どもが元気に過ごしていることが別の方法で学校に伝わるなら、毎朝の電話である必然性は下がります。
保護者連絡の目的が「登校の催促」だけではないとわかると、少し受け止め方が変わります。
案内役加えて、国の通知は不登校への支援について「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要がある、としています。同時に、保護者と課題意識を共有して一緒に取り組む信頼関係をつくることや、保護者が気軽に相談できる体制を整えることも学校側に求めています。東京都教育委員会が教職員向けに出しているガイドブックでも、保護者と教職員が密に連絡を取り合っている状態は、支援の手掛かりになる「保護因子」の例として挙げられています。連絡は本来、親を追い詰めるためのものではなく、味方を増やすための線です。
学校からの連絡が持っている3つの意味
- 安否と様子の確認(連絡が完全に途絶えると、学校は別の対応を取らざるを得なくなる)
- 支援のための情報共有(家庭での様子を知らないと、学校は打ち手を決められない)
- 保護者への相談窓口としての役割(国の通知は、保護者が気軽に相談できる体制づくりを学校に求めている)
保護者目的はわかりました。そのうえで、今の形がつらい場合はどう伝えればいいのでしょうか。
連絡の頻度・方法・時間帯は相談して決められる

案内役連絡の「量」ではなく「形」を相談する、と考えると話が進みやすくなります。先ほどの通知が求めているのは、意図・目的・方法・成果を検証しながら適切な家庭訪問を行うことでした。方法が固定されているわけではないので、家庭の状況を伝えたうえで別の形を提案するのは、通知の趣旨から外れた要求ではありません。ポイントは、減らしてほしいとだけ伝えるのではなく、代わりにどうつながるかをセットで出すことです。
保護者具体的には、どんな言い方になりますか。
案内役事実、困っていること、代替案、試す期間の4点を短く伝える形が実用的です。たとえば「朝の電話のあと、本人が一日中起きられなくなっています。朝の連絡はいったん止めて、代わりに私から週2回、夕方にメールで様子をお送りします。まず1か月この形で試させてください」という言い方です。学校側も、様子が分かる手段が確保されるなら判断しやすくなります。
| よくある困りごと | 伝え方の例 |
|---|---|
| 朝の電話に子どもが反応してしまう | 「朝の時間帯を避け、夕方に私の携帯へお願いできますか」 |
| 家庭訪問のたびに子どもが隠れてしまう | 「玄関先で私だけが対応する形にして、本人とは会わない前提でお願いできますか」 |
| 親が仕事中で電話に出られない | 「連絡帳アプリかメールに変更し、返信は当日中にします」 |
| プリントの受け渡しだけで十分 | 「学習プリントは郵送か、月1回私が受け取りに行く形にしたいです」 |
| 毎回同じ質問をされるのがつらい | 「体調と睡眠は週1回まとめてお伝えします。それ以外は本人から動きがあったときに」 |
案内役決まったことは、口頭だけで終わらせずに残しておくと後が楽です。担任は年度で替わりますし、学年主任や管理職に共有されていないと、翌月には元の運用に戻ってしまうこともあります。連絡帳やメールで「先日ご相談した連絡方法について、この形でお願いします」と一度文字にしておくと、学校内で引き継がれやすくなります。
連絡をすべて断つのは避けたい
つらさのあまり電話に出ない・訪問にも応じない状態が続くと、学校は子どもの安否を確認できません。国の通知では、家庭訪問や電話連絡を繰り返しても安否が確認できない場合、市町村や児童相談所への通告などの対応が必要とされています。学校を避けたい気持ちがあるときこそ、「この方法なら応じられる」という細い線を1本だけ残しておくのが安全です。
保護者形を決めるところまではわかりました。でも、その相談自体を担任にしづらいときはどうすればいいですか。
担任以外に話せる相手を知っておく
案内役窓口は担任だけではありません。校内にはスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーがいて、国の通知でも、担任の視点だけでなくこの2職種による見立てが有効だとされています。さらに、学級担任・養護教諭・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーなどが中心となり、子どもや保護者と話し合って「児童生徒理解・支援シート」を作成することが望ましい、とも書かれています。つまり、保護者が支援の話し合いに加わること自体が制度として想定されています。
保護者学校の外にも窓口はありますか。
案内役あります。市区町村の教育支援センターや教育相談室、都道府県の教育センターが代表的です。たとえば埼玉県立総合教育センターの面接相談は、相談対象に保護者が含まれていて、保護者のみの面談も可能とされています。1回あたりの相談時間は1時間程度で、予約制です。名称や受付方法は自治体ごとに違うので、「お住まいの自治体名+教育相談」で調べるのが早い方法です。相談先の選び方は不登校で親がつらいときの相談先にもまとめています。
保護者学校との関係そのものを相談してもいいのでしょうか。
案内役相談は可能ですが、窓口の役割には範囲があることは知っておいてください。先ほどの埼玉県立総合教育センターは、学校や教職員に対する苦情等について直接の指導や調査等はできない、と明記しています。学校の対応そのものを変えてほしいという申し入れは、校内であれば学年主任や副校長・教頭、校外であれば学校を設置している市区町村の教育委員会が窓口になります。「気持ちを聞いてもらう場所」と「体制を動かす場所」を分けて考えると、空振りが減ります。
相談先の使い分け
- 日々の連絡の形を決めたい → 担任、学年主任
- 子どもの心理面の見立てがほしい → スクールカウンセラー
- 家庭の生活・福祉面の調整が必要 → スクールソーシャルワーカー
- 学校の対応方針そのものを相談したい → 副校長・教頭・校長、市区町村の教育委員会
- 親自身の気持ちを聞いてほしい → 都道府県・市区町村の教育相談窓口
保護者窓口の地図が見えてきました。実は、フリースクールの見学を始めたところなのですが、これは学校に伝えるべきでしょうか。
フリースクールに通い始めたら、学校に何を伝えるか
案内役伝えることをおすすめします。国の通知では、子どもが教育支援センターや民間施設など学校外の施設で指導を受けている場合、在籍校がその学習の状況等を把握することは、学習支援や進路指導を行ううえで重要だとされています。令和5年11月17日付けの通知に添えられた基本的な考え方でも、フリースクールなどの民間施設やNPOとの連携が必要になった場合でも、在籍校と設置者が関係機関と連携して子どもの心身の健康状況・学習状況等を把握し、必要な支援を行うことが重要だと示されています。学校が把握できていないと、成績や進路の場面で扱いようがなくなってしまいます。
保護者出席扱いの話にもつながりますか。
案内役つながります。学校外の施設での相談・指導を指導要録上の出席扱いにするための要件の1つめが、まさに「保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること」です。連絡を完全に断った状態は、この要件から遠ざかります。ただし出席扱いになるかどうかを決めるのは校長で、民間施設が適切かどうかは校長が設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するとされています。通い始めれば自動的に認められるものではない、という点は誤解しないでください。条件と手続きはフリースクールが出席扱いになる条件で詳しく扱っています。
- 見学・体験の段階で「こういう施設を検討しています」と担任に一言伝える
- 通所が決まったら、施設名・所在地・通所予定の曜日・活動内容を書面かメールで共有する
- 出席扱いを希望する場合は、その意向を早めに伝え、学校側の手続きと必要書類を確認する
- 施設の担当者と学校が直接やり取りしてよいか、家庭の意向を学校と施設の双方に伝える
- 通所が始まったら、月1回程度は本人の様子と学習内容を学校に共有する
案内役施設側が学校への報告書の作成に慣れている場合も多いので、見学時に「在籍校への報告はどこまでしてもらえますか」と聞いておくと、家庭が間に立って消耗せずにすみます。公的な教育支援センターとの違いが気になる方は、教育支援センターとフリースクールの違いもあわせてご覧ください。
保護者学校とつながっておく意味がよくわかりました。それでも、やり取りそのものがしんどい日があります。
学校とのやり取りがつらくなったとき
案内役まず、やり取りを一人で抱えないことをおすすめします。同居する家族がいるなら窓口を分担する、面談には必ず2人で行く、それが難しければ電話の日だけ決めて他の日は出ない、といった線引きで負担はかなり変わります。記録を残すことも効果があります。日付、誰と話したか、決まったことの3点だけを箇条書きで残しておくと、担任が替わったときや教育委員会に相談するときに、そのまま説明の材料になります。
保護者学校の外に、親が頼れる先はありますか。
案内役文部科学省が案内している「24時間子供SOSダイヤル」(0120-078310)は、夜間・休日を含めいつでも電話でき、原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。子ども本人だけでなく保護者も使えます。また、令和5年11月17日付けの通知に添えられた基本的な考え方では、不登校の子どもの保護者が悩みを抱えて孤立せず適切な情報や支援を得られるよう、スクールカウンセラー等による相談支援に加えて、学校設置者等に相談窓口の設置や情報提供が求められる、と示されています。親が相談することは制度上も想定されている行動です。
親自身の不調が続くときは
眠れない日が続く、食欲が落ちた、涙が止まらないといった状態が2週間以上続くときは、学校との調整より先に休んでください。自治体の保健センターや、かかりつけの医療機関が相談先になります。この記事は医療的な判断をするものではないので、体調に関することは必ず専門の窓口にご相談ください。
保護者学校とのやり取りが落ち着いたら、次は何を考えればいいでしょうか。
案内役連絡の形が決まって朝の消耗が減ると、そこで初めて「この先どうするか」を考える余力が出てきます。学校の中に居場所を探すのか、学校外の場を使うのか、環境そのものを変えるのかは、そのあとの話で構いません。転校や学校を変える選択を考え始めた方は不登校での転校を判断するときを、休み始めた直後で何から手をつけるか迷っている方は不登校の初期に親ができる対応をご覧ください。
今日からできること
- 今の連絡の形で何がつらいのかを、事実ベースで1〜2行に書き出す
- 代わりにできる連絡方法(メール・連絡帳アプリ・週1回の電話など)を1つ決める
- 担任に「事実・困っていること・代替案・試す期間」を伝えて、1か月試す
- 決まったことを文字で残し、学年主任やスクールカウンセラーにも共有してもらう
- 学校外に通う予定ができたら、施設名と通所予定を早めに学校へ伝える
保護者連絡を減らすお願いは、学校を拒否することとは違うんですね。
案内役はい。むしろ、続けられる形に作り替えることが、つながりを保つ現実的な方法です。ご家庭のお住まいの地域で通える場所を探すときは、都道府県から施設を探すも使ってみてください。
この記事について
この記事は一般的な情報の提供を目的としています。出席扱いや公的支援などの制度は自治体・学校ごとに運用が異なるため、最終的な判断は在籍校・教育委員会・各施設への確認をお願いします。記事はAIによる下書きと機械チェックののち、公開前に人間が内容を確認しています(編集・レビュー方針)。